ゴールボール 2025ジャパンパラ大会レポート
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- 11月4日
- 読了時間: 7分
秋は全国各地でパラスポーツ大会が全国各地で開催! 10月はJPSA設立60周年記念2025ジャパンパラゴールボール競技大会に訪問し観戦させていただきました!今回は試合観戦レポートをお届けします!
今大会は男子チームによる国際大会としてタイとパキスタン、日本からはAとBの2チームが出場し、2日間に渡って熱戦が繰り広げられました。

静寂の格闘技!?ゴールボール
多くの方にパラスポーツを知っていただくために”そもそもゴールボールとはなんぞや”ということを解説してから大会のレポートをお届けしたいと思います。
ゴールボールは視覚に障害があるアスリートが、目の見えない状態で、鈴入りのボールをゴールに投げ合い競い合う団体競技です。
恐らくですが、多くの人のスポーツ経験で”目を閉じた状態で行うスポーツ”は経験がないと思います。
人間は約8割の情報を視覚から得ているとは言われており、どうやってボールを投げたり、防いだりするのか疑問に感じるかと思います。
しかし、視覚情報を得られない環境下でも、プレーできるようにルール設計がされているんですね。

守備:ボールの位置を把握するためには、ボールに鈴が2つ入っているので鈴の音で位置を確定できる。

攻撃:コートにはテープの下に紐が貼られており、紐を触って自分の位置や方向を確かめることができる。
パラスポーツの特徴として、障害特性に応じたルール設計や用具の工夫がさせており、ゴールボールは視覚からは情報は得ないけども、聴覚と触覚を研ぎ澄まして行うスポーツなんですね!
しかし、いくら音でボールの位置をある程度特定できるとはいえ、目隠しの状態で豪速球で向かってくるボールを体を止めるということは、暗闇でボディーブローを喰らうに等しい行為です。
ちなみにボールのサイズはバスケットボールと同じサイズで、重さは1.25キロです。選手が投げるボールの速度は60キロにも及ぶそうで、その衝撃は凄まじいです。選手に話を伺うと、24分の試合でひたすら身を挺してボールを止めるので、あまり痩せすぎていてはいけないそうです。(ある程度は脂肪がないと、痛くて集中できないとのことでした。)
日本のポジションと今回の出場国
日本ゴールボールナショナルチームは2024年に開催されたパリパラリンピックで世界一に輝いている強豪国です。
2025年の世界でのランキングはどのようになっているかというと、
1位ブラジル🇧🇷 2024パリ🥉
2位リトアニア🇱🇹
3位日本🇯🇵 2024パリ🥇
4位アメリカ🇺🇸
5位ウクライナ🇺🇦
2024パリ🥈
6位中国🇨🇳
となっているようです。
南米、ヨーロッパ、アジアが上位を締めているんですね。
今回は、2024年のパラリンピック優勝した日本チームを中心に、アジア圏のタイとパキスタンのチームが出場し4チームで行われる国際試合となりました。(日本チームはA,Bの2チームが出場)

タイもパキスタンも2024パラリンピックは出場はなく、ランキングも日本ゴールボール協会が公開している2025年6月時点でのランキングでは掲載がなかった為、日本が迎え打つ形での3カ国による試合。
そして日本AチームとBチームの代表メンバー入りも意識した対決に注目の大会です。
会場の様子
ゴールボールの会場では試合中は音出しNGです。
なぜなら選手たちは視覚情報を遮断し、音を頼りにプレーを行うからですね。非常に会場では緊張感もありますし、幼い頃から落ち着きがなく先生を大困らせた私にとっては現地で観戦なんかできるのか!?と一抹の不安を抱えて会場で取材を行いましたが、常に無音ということではなくプレー中のみ。
それ以外のシーンでは環境音が流れたり、会場のガイドさんがオーディエンスに対して観戦ルールのお知らせや盛り上げをしてくれているのでとっても楽しめるホスピタリティでした。
特にガイドの方の雰囲気が最高で、親しみやすい距離感と来日した海外選手へのエールもその国の言葉で応援してくれる素晴らしい方でした!

会場で取材と試合の様子を見させていただいたのですが、YouTubeでも解説も行っていたのでイヤホンで解説の実況を聴きながら現地で試合観戦するのもいいかもしれませんね。
過去に何度か試合観戦したことはありますが、やはり映像で見るより段違いでボールのスピードが速い!あんなボールを受けたらひとたまりもありません。
特にタイの選手のボールが豪速球すぎるのと、投球の際にボールと床の設置がスムーズのため音があまり聞こえず。
あんなボールを体に12分受け続けるのは、
”パラスポーツ🟰障がい者の為のリハビリやレクリーション”というイメージを一層させてくれるに相応しい競技でした。(あまりないそうですが、最終日は豪速球を顔面で受ける選手もおり、流血で一時中断するシーンも。。)
大会の結果
優勝 日本A
準優勝 タイ
3位 日本
B4位 パキスタン
という最終順位でした。
初日に総当たり戦が行われ、翌日は順位を元に決勝トーナメント。日本チーム同士の決勝戦になるかと予想していましたが、タイが日本Bを破り決勝進出。日本チームBで出場した永野陽希お話を伺うと、いいプレーは大会であったものの、エラーも起こしてしまったと悔しそうな表情を覗かせていました。
決勝戦は13-5で日本Aチームが勝利を収めました!
試合を終えた選手にインタビュー
今回は日本Bチームでチームを牽引した永野陽希選手(日本国土開発株式会社)にお話を伺いしました!

ー田中 試合を終えてのこの試合の率直な感想を教えてください。
ー永野選手 悔しい一言に尽きますね。タイに負けたっていうのが、タイとは昨日勝っていた相手だったので、えっとまあリラックスして入れたかなと思っています。 ライトの武田選手もすごい点を取ってくれたので、えースムーズに試合を運べたかなって思います。分岐点かなと思ってはいて一番勝たなきゃいけない試合で負けてしまったのが、自分の不甲斐なさを痛感する試合だったなと思います。
ー田中 タイはパリのパラリンピック出場はなかったと思うんですけども、持ってた印象とかっていうのは教えていただいてもいいですか?
ー永野選手 年々強くなっていますね。タイのメンバーはずっと結構最近何年か変わらず固定のメンバーで頑張っていて、一緒に練習してました。明らかにボールが良くなっていて、元から攻撃的なチームではあったんですけど、よりそういった、あの長所が伸びてるなっていう印象。大会を通しても一日目と二日目、で戦い方を変えてきて、こうストレートの速いボール、で一日目はきたんですけど、二日目は結構クロスボール、で惑わすようなボールに攻め方を変えてきて、で日本Bはそこにちょっと合わ切ることができず負けてしまったっていう、本当になんか、あの年々強くなってるなっていった感じです。
ー田中 来年はアジアパラも、あの東海エリアで控えていると思います。目指してる次の大会だったりだとか、あと、まあ具体的には次のステップに向けてのスケジュール感とか、取り組みとかって教えていただいてもいいですか?
ー永野選手 守備を固めて攻撃力を磨く、っていうのは、自分の課題なんですけど、日本同士の試合でも欲しいところで点も決めれましたし、守備も安定してきました。ただ、後半に入ってきて、体力とか集中力が切れかけてくる頃に自分のまだ課題が出てしまう。そういったところのトレーニングをもう少し重点的に取り組んでいきたいなと思っています。今後は3月のネーションズ、6月の世界選手権っていうところのメンバーに入ること。 そのための国内の合宿っていうのに向かっていきたいなと思っています。
ー田中 ありがとうございました!これから応援しています!
大会の様子は、ジャパンパラのYouTubeでもアーカイブでご覧いただけますので今回会場に来れなかった方や、視聴を見逃した方はぜひチェックください!




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